宮崎・都城市が開発した生成AIを170自治体が導入──行政DXの新モデル
宮崎県都城市が自前で開発した生成AIを、全国170自治体が業務に導入しています。地方がDXの「受け手」から「担い手」に変わる流れの中で、中小企業や自治体が今できることを整理しました。

全国の自治体で生成AIの導入が加速しています。2026年5月時点で、生成AIを業務に活用する自治体はようやく全体の半数を超えたと見られますが、その中でもひときわ異彩を放っているのが宮崎県都城市です。同市が独自に開発した生成AIツールは、すでに全国170を超える自治体に導入されており、人口17万人規模の地方都市が「行政DXの黒子」として全国の自治体を支える構図が生まれています。富山県では導入率が8割を超え、関西圏でも2年間で活用自治体が5倍に増えるなど、地方発の生成AI活用は確実に広がりつつあります。
この動きが注目に値するのは、地方自治体がDXの「受け手」ではなく「担い手」に転じている点です。従来、行政のIT化は大手ベンダーが開発したシステムを各自治体が導入する流れが一般的でした。しかし都城市のように、現場の職員が日常業務で感じた課題を起点にツールを開発し、それを他の自治体にも展開するという逆方向のモデルが成立し始めています。これは単なるコスト削減の話ではありません。現場の手触り感を持つ自治体だからこそ、職員が本当に使えるツールを設計できるという強みがあります。大阪府では外国人の病院案内に、香川県善通寺市では土地評価に、広島県では移住案内にと、各地で業務の特性に合わせた活用が進んでおり、生成AIの使い道は「文書作成の効率化」から大きく広がっています。
一方で、中小企業のAI導入は依然として道半ばです。大企業のAI導入率が64.7%に達する中、中小企業との差は約2.7倍とも言われ、三重県内の調査では関心を持ちながらも4割が未使用という実態も明らかになっています。地域格差も鮮明になりつつあり、ここで手を打たなければ、都市部と地方、大企業と中小企業の間でAI活用の二極化がさらに進む可能性があります。自治体と地域の中小企業が連携してDXに取り組むことが、地方経済全体の底上げにつながると考えています。
では、まだ生成AIを導入していない自治体や中小企業は何から始めればよいのでしょうか。第一歩は、日常業務の中から「繰り返し発生する定型作業」を洗い出すことです。議事録の要約、住民向け案内文の作成、問い合わせ対応のドラフトなど、まずは一つの業務で試験的に使ってみることが重要です。次に、Google WorkspaceやMicrosoft 365など既に導入しているツールにAI機能を組み込む形で始めれば、新たなシステム導入のハードルを大幅に下げられます。職員や社員向けの勉強会を月1回でも開催し、使い方と注意点を共有する仕組みをつくることで、組織全体のリテラシーを底上げできます。
合同会社Gel-bananaでは、京都府福知山市の新町商店街にある拠点「Tsunaga Room」を起点に、自治体・中小企業向けのDX支援を行っています。Google Workspace × AI の業務組み込みや、議員・職員向けの生成AIセミナーなど、現場の状況に合わせた伴走型のサポートが可能です。「何から始めればいいかわからない」という段階からご相談いただけますので、お気軽にお問い合わせください。メール: info@gel-banana.jp / TEL: 090-5157-0165


