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自治体DXの進め方|小規模自治体が最初に着手すべき3領域

「DX推進計画は作ったが、現場が動かない」。小規模自治体でよく聞く悩みです。限られた人員と予算で成果を出すために、最初に着手すべき3領域と、つまずきやすいポイントを実装の現場から整理します。

自治体DXという言葉が定着して数年が経ちました。多くの自治体で推進計画が策定され、CIO補佐官の設置や情報システムの標準化も進みつつあります。一方で、現場の職員から聞こえてくるのは「計画はあるが、日々の業務が楽になった実感がない」という声です。とくに人員も予算も限られる小規模自治体では、何から手をつければよいのかが見えにくく、最初の一歩で止まってしまうケースが少なくありません。

私たちが現場で関わってきた経験から言えるのは、自治体DXを一枚岩で捉えないことが出発点だということです。DXを「住民と接する窓口」「庁内の内部業務」「データの連携基盤」という3つの領域に分けると、それぞれで取るべき打ち手と難易度がはっきり分かれます。最初に着手すべきは、効果が住民にも職員にも見えやすく、かつ既存の制度を大きく変えずに済む領域です。

第1の領域は住民窓口です。申請書のオンライン化や、よくある問い合わせへの自動応答は、住民の利便性向上に直結し、成果が外から見えやすいのが利点です。ここでつまずきやすいのは、紙の様式をそのままPDFにしただけで「電子化した」と扱ってしまうことです。入力項目の見直しや、提出後の庁内処理まで含めて設計しないと、職員の手間はむしろ増えます。フォームの背後にある業務フローごと描き直すことが肝心です。

第2の領域は庁内の内部業務です。文書作成、議事録、各種照会への回答、データの転記といった定型作業は、生成AIや簡単な自動化と相性が良い部分です。ここでの典型的なつまずきは、いきなり全庁展開を狙ってしまうことです。まずは一つの課で、特定の作業に絞って小さく試し、時間がどれだけ短縮できたかを数字で確かめる。その成功体験を横に広げるほうが、結果的に早く根づきます。

第3の領域はデータ連携基盤です。標準化やガバメントクラウドへの移行はこの領域に当たりますが、ここは制度・調達・セキュリティの制約が大きく、小規模自治体が独力で先行するには重い領域です。むしろ最初は前の2領域で職員のデジタルへの抵抗感を下げ、庁内に「やってよかった」という実感を積み上げてから取り組むほうが、移行時の混乱を抑えられます。

つまずきの多くは、技術ではなく進め方に原因があります。完璧な計画を作ってから動くのではなく、小さく試して数字で確かめ、職員自身が手応えを得ながら広げていく。この順番を守れるかどうかが、計画倒れと定着の分かれ目になります。私たちは地方の現場でこの進め方を繰り返し実装してきました。どこから着手すべきか迷っている段階でも、現状の業務を一緒に棚卸しするところからお手伝いできます。

Tags自治体DX地方自治体行政DX業務改善ガバメントクラウド
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