自治体DX「定着の壁」約8割が以前のやり方に逆戻り―現場で何が起きているか
自治体DXは「導入して終わり」ではない。最新の実態調査で約8割が導入後に以前のやり方へ逆戻りした経験があると判明。地方の現場で本当に定着させるために何が必要かを考えます。

自治体DXの「導入」フェーズはすでに全国で一巡しつつあります。電子申請、チャットツール、RPA、生成AI——多くの自治体や地方の中小企業がここ数年で何らかのデジタルツールを取り入れました。しかし今、現場で顕在化しているのは「導入したはずのツールが使われなくなる」という定着の壁です。最新の実態調査では、自治体職員の約8割が「導入後、以前のやり方に戻った経験がある」と回答しています。福知山市周辺でも、せっかく整備したクラウド環境が一部の部署でしか活用されていないケースを私自身何度も目にしてきました。
なぜ定着しないのか。最大の要因は「現場の業務フローに合わせた再設計」が行われていないことです。多くの自治体では、既存の紙ベースの手順をそのままデジタルに置き換えただけで、かえって手間が増えたと感じる職員が少なくありません。加えて、自治体の約半数が兼務体制でDXを推進しており、専任の推進担当がいない中で「導入後のフォロー」に手が回らないという構造的な問題があります。中小企業でも同様で、社長がツールを入れたものの現場スタッフへの説明や運用ルールの整備が追いつかず、結局Excelと電話に戻ってしまうパターンが繰り返されています。人口減少が進む地方ほど人手不足は深刻であり、DXの定着は待ったなしの課題と見られます。
この調査結果が示唆しているのは、地方DXの成否は「どのツールを選ぶか」ではなく「導入後の3か月をどう設計するか」で決まるということです。自治体DXで成果を出している団体に共通するのは、①まず1つの業務に絞って小さく成功体験を作る、②週次で振り返りの場を設ける、③つまずいた職員を責めずに仕組みを直す、という3点です。中小企業のAI活用でも同じことが言えます。生成AIを全社導入するのではなく、まず議事録作成や問い合わせ対応など1業務に限定し、担当者が「これは楽になった」と実感できる状態を作ることが最優先です。
具体的な取り組みステップとしては、まず現状の業務を棚卸しし、「紙・口頭・二重入力」が残っている箇所を可視化します。次に、最も頻度が高く効果が見えやすい1業務を選定し、ツールの設定と運用ルールをセットで整備します。導入後は2週間・1か月・3か月の3段階でチェックポイントを設け、利用率が下がっていれば原因をヒアリングして即座に改善する。この「小さく回す」サイクルを1つ成功させれば、他の業務への横展開は驚くほどスムーズに進みます。
合同会社Gel-bananaでは、福知山市新町商店街の拠点「Tsunaga Room」を起点に、自治体・中小企業のDX定着を伴走支援しています。Google Workspace × 生成AIの業務組み込みから、議員・職員向けのAI/DXセミナー、導入後の運用フォローまで一貫して対応可能です。「ツールを入れたけど使われていない」というお悩みがあれば、まずはお気軽にご相談ください。info@gel-banana.jp / TEL 090-5157-0165


